マンガ家デビュー作『大家さんと僕』が大ヒット! カラテカ・矢部を導いた“大恩人”って? (4/5ページ)
でも、深夜だし大家さんには見られないだろうと思っていたら、見事に見られまして。それで慌てて探し始めたときに出会った物件が今の家です。

矢部:そのエピソードも、言うなれば不法侵入ですからね。マンガではホラーな出来事みたいな演出していますけど(笑)。
――そんな大家さんと仲良くしていけるかなと思ったきっかけはなんだったのですか?矢部:実は最初は仲良くできないかなと思っていたんです。芸人の先輩にも「ちょっと家選び失敗しちゃったかもしれません」と相談していたくらいで。
でも、大家さんの行動って、すべて僕を思ってやってくれていて、ゴミ出しで注意されたときも、迷惑だという言い方ではなくて、矢部さんがご近所さんから悪く思われるかもしれないから、きちんと出した方がいいと思いますよ、という言い方なんです。
今ではお茶するのも普通ですけど、最初は断っていたんですよ。でも一回くらいは行ってもいいかなと思ってお話してみたら、すごく素敵な方だと分かって興味を抱きましたね。
――「ごきげんよう」と挨拶したり、かなり上品な方ですよね。今まで周囲にこういう方っていましたか?矢部:いやー、いないですね。素で「ごきげんよう」なんて挨拶されたことなかったです。大家さんのご親戚の方も「ごきげんよう」と挨拶されていました。家系がもう上品なんでしょうね。
――それはすごいですね! 高貴な家系というか。矢部:そうなんでしょうね。初めて大家さんの家でお茶をしたときに、何か話のネタはないかと周囲を見渡していたら本が置いてあって、これを糸口に話してみようと思って手に取ってみたら、タイトルが『〈華族爵位〉請願人名辞典』だったんです。