【連載】『あの人の学生時代。』#20:鈴木亮平「好きなことにとことん、まっすぐ」 (4/7ページ)

学生の窓口



『西郷どん』で、まっすぐに生きることのすばらしさを感じてほしい


――2018年の大河ドラマ『西郷どん』の撮影が始まってから半年ほど経ちますが、今の手応えは?


正直……いい感じですね(笑)。脚本がおもしろいので、僕らはそれをいかに膨らましていけるかってところで勝負している毎日です。「70をなんとか100に持っていかなきゃ」っていう努力ではなくて、100を120に持っていく努力っていうのはやっぱり楽しいですね。

――脚本を読んだあと、実際に演じてみての感想は?


みんなを目の前にして実際やってみると、脚本で読んだ時のイメージと全然違うお芝居になるんですよ。それは、みんながきちんとその人間になりきって自然とその場を生きているからだと思うので、ものすごくいいドラマになるんじゃないかという気がしています。

頭で考えていた芝居とは違い、思ってもいなかった感情が湧いてくるんです。それって、自分がどうというよりは周りとの反応なので、「大久保(利道)さんを目の前にするとこんな言い方になるんだ、こんなところで涙が出るんだ」とか、思ってもみないような化学反応がどんどん起きるんです。

「ここは泣くシーンだったけど、やってみたらすごい笑顔で言うシーンだったんだな」とか。その逆もありますし。そういう、頭で考えてきたものが現場で裏切られることはすごく楽しいですね。

――今作で描かれている西郷隆盛はどんな人物だと思いますか?


とにかく愛情深くて、怒るときはそのぶん怒りますけど、結局それも誰かのためだったり……。本当に人を愛しているし、相手の痛みを自分の痛みのように感じられる人だと思います。繊細な青年の魂が大きな体に宿っていることが愛しいです。

また、西郷さんは、目的のためなら手段を選ばない、ある種非情な面もあるんですけど、勝負に勝ったあとは敗者の気持ちに寄り添うことができたり、視野が広く相手の立場に立って考えられたりといった部分に感銘を受けました。これは、自分自身がいろいろな辛酸を舐めて、挫折を経験したからこそできることだと思うんです。

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