なぜ語彙力があると「デキる」と思われやすいの?――【言葉の専門家×若者】社会で活躍するための“語彙力”基礎講座<前> (3/8ページ)
これは何かご存知ですか?
秋吉:まず書けないです。
岩崎:なんだろう…。
山口:この字、何かに見えませんか? 下は果実の「果」。果実って丸いですよね。上にはわかんむりのようなものが被さっています。そして、その上には電車のようなものがくっついていますよね。これはそのまま見ればいいんです。
佐伯:出てこない…。
山口:実はこれ、ハリネズミなんです。丸いものから針がワッと出ていますでしょ。「彙」は丸くなっていることを表す言葉なんですね。だから、「語彙」というのは、一つの核になる言葉があり、ハリネズミの針のように広がって別の言葉が出てくるということを意味します。
一同:へぇー!
山口:例えば「赤」という言葉は、そこから「明るい(あかるい)」などの言葉が派生して出てきます。基礎語と呼ばれる言葉がハリネズミの部分で、そこから言葉が広がっていく、広げていくというのが「語彙」なんですね。
■なぜ「語彙力」が高いと「デキる人」と思われるの?――語彙力のある人は、世間的にも「デキる人」と見なされやすいですよね。これは一体何故なんですか?
山口:これはキャラクターの名前付けのときによく使われるのですが、相手に印象付けたいときには、まず難しい漢字を使います。あまり知らないなという漢字を一字でいいから使うこと。そうすると、人は「自分の読めない漢字を持っている人だわ」と驚くのです。