なぜ語彙力があると「デキる」と思われやすいの?――【言葉の専門家×若者】社会で活躍するための“語彙力”基礎講座<前> (4/8ページ)

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佐伯:確かに、難しい漢字だったり、読み方が変わっている名前のほうが覚えやすいです。

山口:そうでしょ? そこに難しい漢字を入れると、少しランクの高い人だと見てしまう傾向がある。つまり、相手が怖じるんです。そういうことを頭に入れながら、手紙を書くときに少し難しい言葉を使うと…?

――怯みますよね。メールの中にちょっと難しい言葉や上品な言葉が入っていたりすると、こっちも丁寧にしなきゃ!と思ってしまいますし。

山口:そうなんです。お祝いの言葉で「おめでとうございます」って誰もが使う言葉を使わずに、「祝着にございます」と書いてみる。

秋吉:どのように書くかも分からないです(笑)

山口:「祝う」に「着く」で「祝着」です。ほとんどの人が使わない言葉ですから、「えっ」と印象付けられるはずです。

秋吉:英語でも、一つの文章の中で同じ言い回しを使わないほうがカッコイイというのがありますけれど、それと似ていますね。

山口:そうですね。使う言葉を変えるだけで急にかっこよくなるわけです。また、印象付けとしては、ラテン語なんかを使うと良いですよね。英語圏やフランス語圏の人たちがラテン語を使って印象付けをするということもよくありますよ。
例えば印刷の「両面刷り」をラテン語で「レクト・ベルソ(Recto Verso)」とわざと言ったり。私も大学生のころに、「レクト・ベルソ」という言葉を知ってからすぐに使いましたよね(笑)。海外から来ている先生に「(印刷を)レクト・ベルソでしますか?」と聞いたら、ものすごく驚かれましたね。

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