音読、お風呂…今日からできる!語彙力を高める方法――【言葉の専門家×若者】社会で活躍するための“語彙力”基礎講座<後> (5/7ページ)

新刊JP

非常に文章の振れ幅が広く、言葉をよく知っていらっしゃいます。この人の本のエッセイからまず声に出して読んでみるといいですよ。「祝着」という言葉も使っていますし。

秋吉:純粋な疑問なんですが、今後、語彙力ってどうなっていくんですか? 使われないものは衰退していきますけど、昔あった言葉も同じように、使われないとどんどんなくなっていくと思います。

山口:そういう側面はあるでしょう。その一方で、忘れ去られていた言葉がまた使われだすということもあります。例えば「忖度」という言葉は安倍晋三総理が使ったことによって、言葉が生き返りました。

前半で「語彙力は戦略のために身に付ける」と言いましたが、政治家の人たちは難しい言葉を巧みに使って話を誤魔化したり、妙な説得力を持たせたりしていますよね。だから、語彙力がないと、有権者は「この人は何を言おうとしているのか」が分からないまま鵜呑みにしてしまう可能性があります。その点で、言葉の本当の意味を知っておくことは非常に大事です。

我々が政治家に負けないくらいの語彙力を持って、誤魔化されないようにしておく。武装するんですね。そのためには「使われないから覚えなくていいや」ではいけないんです。

――その一方で、若者たちの間でどんどん新しい言葉が生まれていますよね。「マジ卍」ですとか、さっぱり分からない言葉もありますが、そういう言葉に大人が対応していくためにはどうすればいいのでしょうか。

山口:先ほど言ったことと同じで、若い人に可愛がってもらうようにしましょう(笑)。一緒にご飯を食べに行って、話をして、もし新しい言葉が出てきたら、興味を持って「どういう意味?」って聞いてみる。そういう間柄をつくっていくことが大切ですね。

「音読、お風呂…今日からできる!語彙力を高める方法――【言葉の専門家×若者】社会で活躍するための“語彙力”基礎講座<後>」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る