ソフトバンク・ヤフー・イオンが手を結ぶアマゾン包囲網の行方 (2/2ページ)
そのため、今後3年間でIT、デジタル、物流分野に、新たに5000億円を投入すると宣言したのです」(前出・経営コンサルタント)
その延長が、今回明らかになったソフトバンクなどとの連携話だ。ただ、アマゾンの攻勢に戦々恐々とするのは、イオンだけではない。
「セブン&アイHDとアスクルは、昨年7月に業務提携し、11月からネット通販の『IYフレッシュ』を開始。アスクルが持つ通販サイト『LOHACO』とセブン&アイHDの生鮮食品通販サイトをドッキングさせ、'20年秋頃までに首都圏全体にサービス網を広げる計画を打ち出している」(同)
加えて、ネット通販の雄、楽天も、生鮮食品やモノ通販にさらに力を入れ始めている。1月26日には、西友の親会社である米ウォルマート・ストアーズ・インクと提携し、今年夏頃には『楽天西友ネットスーパー』を立ち上げるという。
「楽天は日本のEC(電子商取引)市場のシェアではトップ企業だったのですが、一昨年、わずかながらアマゾンに首位の座を奪われたのです」(同)
楽天の収益のベースはECと金融。特に9300万人の会員を抱えるEC市場は屋台骨だが、このままいけばそれがアマゾンによって完全に駆逐される可能性さえ指摘されている。
「その危機感が、昨今の楽天の国内携帯事業への本格的参入や、野村HD系列の朝日火災海上保険買収、大手家電量販店ビックカメラとの家電通販など、次々に発表する事業展開にも表れている」(経済紙記者)
また、EC関係者はこう言う。
「確かに生鮮食料品に一定数の需要はあるものの、日本はまだ、“生モノぐらいは自分の目や手で確かめて購入したい”という客が大半を占めている。各種市場調査でも、“ネットでも可”というのはまだ1〜2割程度。それでも各社力を入れるのは、間近に迫る超高齢化社会へ向けての市場拡大があるからです」
そうした中、ネットではないリアル市場で手をこまねいていると、アマゾンに総取りされるという危機意識があるためだ。
「ソフトバンク、ヤフー、イオンの提携話については、それぞれがアマゾンに出遅れたことによる苦肉の策とも取れるが、ビッグデータやAIを駆使することで相乗効果が生まれる可能性はある。ただしアマゾンは、ホールフーズを買収したように、ここへ来て実店舗にも力を入れ始めている。今後はこの逆張りへの対応も考えなければならない」(前出・経済紙記者)
アマゾン包囲網はどこまで効果があるのか。