世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第264回 東京とジャカルタ (2/3ページ)

週刊実話

さらには、車検制度がないため、時速50キロ程度しか出せない大型トラックなどが現役で走っている。低速でしか走れない車両が高速に乗ってくると、途端に渋滞だ。

 複数の要因で大渋滞が常に発生しているのが、現在のジャカルタなのである。
 インドネシア政府はバイクを減らすために地下鉄を建設し、高速道路環状線の整備も進めているが、バスに規制をかけ、交通マナーを強制し、車検制度を完備するなどの施策も、渋滞解消のためには必要となるだろう。

 ジャカルタではバイク版のウーバーとでもいうべきGojekが大流行している。慢性的に渋滞に苦しむジャカルタでは、小道や小回りの効くバイク・タクシーの需要が大きいのだ。というわけで、スマートフォンで自分が指定した場所へバイクを呼べるGojekが普及していった。
 Gojekのドライバーたちは、地方出身者が多い。仕事はなく、インドネシア語もしゃべれず(インドネシアで話される言語は500を超える)、バイクの運転だけはできる若者が、緑色のGojkeのジャケットを身に着け、ジャカルタ中を走り回る。現在はGojekのドライバーは「客」のみならず、宅配サービスも担っている。レストランなどからの料理の宅配までもが、スマホ一つで可能となっているのだ。
 Gojekのサービスは確かに便利なのだが、だからと言って「道路」というインフラストラクチャーが拡張したわけではない。不十分な道路インフラはそのままに、Gojekのバイクが走り回るため、渋滞は悪化した。正直、ジャカルタの渋滞が解消される日は、筆者が生きている間には訪れないのではないかと思う。

 ところで、インドネシアは日本と真逆で、若者が「余っている」。インドネシアは全体の失業率('16年)は4.1%だが、若年層失業率は14.9%であった。経済学者などは高齢者が少なく、若年層が多い国について、「美しい人口ピラミッド」であるとして、経済成長と絡めようとする。「美しい人口ピラミッド」が、今後の消費拡大云々という話なのだろうが、本当にそうなのか。冷戦期はともかく、現在は技術発展で生産性が上昇し、需要に対し供給能力が過大になりがちだ。しかも、グローバリズムにより、仕事が「外国」に移る懸念が常にある。

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