複合機が過去最大赤字 M&Aでつまずいたリコーの暗中模索 (2/2ページ)
「'22年までには浮く予定の2000億円を投じ、新たな経営の柱を築きたい意向で、デジタルビジネスにも注力し、'07年に過去最高を記録した1815億円を超える営業利益を目指すという。しかし、果たして現状でリーマン・ショック前の黄金期を取り戻せるのかと懐疑的な見方をする専門家は多い。リコーは過去にもM&Aをしているが、成長分野には手を出しておらず、他のメーカーより一歩遅れているのが気にかかります」(証券アナリスト)
一方の複合機の雄、キヤノンも、デジカメと同様に複合機が大きなウエートを占めていただけに、経営に暗雲が漂ったことがある。そこで仕掛けたのが、世界中が欲しがっていた、東芝メディカルシステムズ(現キヤノンメディカルシステムズ)の買収。これにより医療分野というゴールデンカードを手に入れたのだ。
「キヤノンはそれ以前に、スウェーデンのネットワーク監視カメラでは世界最大手のアクシスコミュニケーションズ、オランダの商業印刷大手、オセなどを買収し、'17年12月期の営業利益は2550億円と前期比で11%も増え、すでに斜陽産業からの脱皮に成功しつつあった。それに加えて、今度は東芝メディカルシステムズの獲得に成功したのです」
また、デジカメの普及によりメーンのフィルム産業が落ち目となり、沈没寸前に追い込まれた富士フイルムHDも、奇跡の再生を遂げている。写真フィルムに使用されていたコラーゲン技術を応用し、スキンケア化粧品『アスタリフト』を生み出してヘルスケア商品へ大転換。一方、今年1月には世界4位の複合機メーカーの米ゼロックスを買収し、一躍この分野では世界一に躍り出た。
複合機メーカー世界6位のコニカミノルタも昨年、遺伝子によるがん診断を手掛ける米のアンブリー・ジェネティクスを1100億円、創薬支援の米企業を320億円で買収など本格的に医療分野に進出し、着実に新収益源を確保している。
「リコーとて、国内ではバイオマス事業への参入や、過去には米IBMデジタル印刷、ペンタックスの買収など、拡大への努力は随所に見られる。しかし、決定的な成長産業でのM&Aがいまだできていないことが、先行き不透明な状態を生み出している」(業界関係者)
かつてはその営業力から“野武士軍団”とも称されたリコーが、再び勝ちどきを上げるのはいつか。