世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第267回 抽象的な財政議論を排す (3/3ページ)
財務省(黒田総裁は元財務官)のやり口は、20年以上前から全く変わっていない。
しかも、黒田総裁の言う「市場の信認」とは一体全体、何のことなのだろうか。金利のことなのか。金利であるならば、長期金利0.027%(本稿執筆時点)の日本は、市場の信認がありすぎる、という話になってしまう。
「市場の信認」といった抽象論で日銀総裁が「財政」を語り、そして政治家や国民がほとんど誰も疑問に思わない。わが国はダメな方向で「驚くべき国」である。財政に限らず、経済、歴史などなど、すべてにおいて具体的な議論ができない。国会においてまで、抽象論ばかりが幅を利かせ、政策を間違え、小国化しているのが、わが国の現実だ。
せめて、日本経済の根本的問題である「財政」や「デフレーション」についてだけでも、抽象的な議論を排さなければならない。具体論で情報を共有し、「日本に財政問題は存在しない」ことを国民と政治家が早急に理解しない限り、わが国に繁栄の未来はない。
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。