台風、ゲリラ豪雨 九死に一生を得る危険回避術10カ条 (2/2ページ)
西日本豪雨の教訓ですよ。現場を見に行くなど自殺行為のようなもの。そもそも見に行ったところで、どうにもなりませんからね」(同)
西日本豪雨の被災地では、水に浸かったEV車(電気自動車)が散見された。
「EV車は、水に浸かると重くて動かない。おまけにドアは電気的にロックがかかってしまい、どうにもなりません。水没した場合は一刻も早く車外に出るべきですが、そもそもドアは水圧で動かない。窓を割って脱出するしかありません。窓にはそれぞれ特徴があり、フロントガラスは内側からは割れないので、結局、両側の窓を割るしかないのです。その際、先の尖った物を使えば、比較的容易に割ることができるので、車内には常に用意しておくといいでしょう」(同)
また、そのEV車やHV車(ハイブリッド車)には200ボルト以上の高電圧システムが搭載されており、損傷などによって露出した高電圧ケーブルなどに接触すれば感電による死亡、または重傷を負う恐れがあるという。
「水没した際、車体と高電圧回路が絶縁され、感電事故が発生しないように対策がされているそうで、水没した車両の近くの水の中にいても感電の心配はないとのことです。しかし、車内に異物が混入したり水が入ることからショートしやすくなっているケースがあります。そのため、水没から数時間経過した後に車両火災に至る可能性もあるのです」(同)
むやみに電源を入れた場合、車両火災につながる恐れがあるという。つまり、水没した車は無理に移動しようとせず、その場からまず離れて専門の業者に依頼して処理してもらう方がよさそうだ。
「問題は、これだけ自然災害大国でありながら、HV、EV車だらけになっている状態です。国もメーカーも、こうした処置方法は声を大にして言うべきでしょう」(同)
西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町のように、二つの川に挟まれた地盤の低い土地は他にも多くある。三重県津市は古代から中世には、安濃津と呼ばれ繁栄を極めたが、室町時代後期に起きた南海トラフ地震の明応地震による大津波によって、壊滅した。現在も地盤が低く、河川が氾濫しかけたことが何度もある。
「そうした土地は、特に5階以上の建物については上の階を避難空間として用意するようオーナーとよく話し合い、取り決めをしておくべきです。あるいは、食料備蓄など3階以上にすべての住人を移せる環境を整えておくこと。また、一人住まいの高齢者は、避難準備情報が出た段階で四の五の言わせず避難させること。こうしたことは、自治体、地域、お隣同士で前もって綿密に話し合っておかなければ実行できない。すでにそうしたキメ細やかな対策を取るべき時に来ているのです」(同)
ちょっとした知識と対策で、命拾いするかもしれないのだ。