世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第284回 地方経済振興と公共投資 (2/3ページ)
日本の公的固定資本形成は、ピークの'95年度、'96年度の47兆円強から、'11年度には約24兆円にまで減ってしまった。第二次安倍政権が発足し、多少は戻したが、それでも'17年度の公的固定資本形成は27・8兆円にすぎない。
「安倍政権は公共投資を増やした」
などと勘違いしている人が少なくないが、それは「神話」もしくは「虚偽」である。'17年度においても、日本の公的固定資本形成はピークと比べてマイナス20兆円(!)というのが現実なのだ。
そもそも、財務省主導の緊縮財政に膝を屈した安倍政権が、公共投資を増やすはずがない。ところが、'18年度版経済財政白書に驚くべき文章が載り、筆者は驚愕したのである。以下、'18年度版経済財政白書からの引用になる。
『公共投資は地域経済を下支え 公共投資については、全ての地域で長期的に減少傾向となっていたが、2013年度以降の政府の機動的な財政政策の効果もあってその傾向に歯止めがかかり、今回の景気回復局面では、手持ち工事高も高くなる中、高水準でおおむね横ばいで推移している。』
全体の公的固定資本形成のパイは増えていないにも関わらず、「公共投資は地域経済を下支え」などということがあり得るのだろうか。
というわけで、白書を見てみよう。
「地域経済を下支え」などと書いておきながら、増えているのは「南関東」と「東北」のみ。南関東とは、要は首都圏。東北は、もちろん被災地だろう。それ以外の地域は、北海道も北関東も、北陸も中部も、近畿も中国も、四国も九州も、すべて'99年の水準を下回っており、近年も碌に増えていない。
これが、真実だ。
特にひどいのが、四国、中国、そして北陸になる。要するに、「地方」は緊縮状態が続いているものの、「東京一極集中」を加速する南関東、そして東北被災地への公共投資が増えているだけなのだ(しかも、東北復興の公共投資は早くも減少に転じている)。
日本政府は、相変わらず「選択と集中」を続けており、東京圏以外の公共投資については増やす気はなく、実際に増やしていないのである。それにも関わらず、白書に「公共投資は地域経済を下支え」と堂々と書く。
何という欺瞞。