世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第284回 地方経済振興と公共投資 (1/3ページ)

週刊実話

 デフレーションとは、国民経済において「消費」「投資」という支出、別名「需要」が供給能力に対して不足する経済現象だ。なぜ、消費や投資が減るのかといえば、バブル崩壊で国民が借金返済と銀行預金に走り、さらには政府が緊縮財政で自らの支出をも減らし、国民に倹約を強いるためだ。

 倹約、借金返済、預金、節約、支出削減。この種の用語は「聞こえ」はいいのだが、国民経済に打撃を与える。理由は、我々の所得は「誰かが支出を増やす」ことでしか創出されないためだ。国民や政府が共に節約、支出削減に走ると、当然ながら「誰か別の国民」の所得が減る。

 所得が減った国民は、消費や投資を減らす。すると、モノやサービスが売れなくなるため、生産者は価格を引き下げる。価格を引き下げると、生産者の所得は確実に減る。販売単価が下がると、企業(生産者)の売上も利益も減少する。すなわち所得縮小だ。値下げにより所得が小さくなった生産者が顧客側に回ると、当たり前だが消費や投資を減らす。すると、モノやサービスが売れなくなるため……と、所得の縮小と価格の下落が悪循環を描いて進行していく現象がデフレーションなのである。

 つまりは、デフレ脱却のためには「誰か」が消費や投資を増やすしかない。もっとも、デフレ期には価格下落のみならず、販売数量も減少する。要は、皆が「買う量」までをも減らしてしまうのだ。経済学的な理論によれば、「価格が下がれば、販売数量は増える」はずなのだが、デフレの時期にそんな「机上の空論」は通用しない。

 販売数量が減ることは、実質賃金の下落とイコールになる。実質賃金が減り続けるデフレ期に、国民が消費や投資を増やすはずがない。

 というわけで、デフレ期に消費や投資といった需要を拡大できるのは「政府」しかない。ところが、わが国では「財政破綻論」という荒唐無稽な嘘が浸透し、財政拡大による需要創出が封じられる状況になってしまった。結果、公共投資、厳密には公共投資から「用地費」など、GDP(需要)にならない支出を省いた公的固定資本形成が減り続けた。ちなみに、なぜ用地費を公共投資から除くのかといえば、「土地」は日本国民が生産したわけではないためだ。GDPとは、あくまで「日本国民が生産したモノ、サービス」に対する支出の合計なのである。

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