世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第287回 チャイナ・グローバリズムの脅威 (3/3ページ)
すると、'17年7月29日、スリランカ政府は南部ハンバントタ港の運営権を、中国企業に譲渡する契約を締結。スリランカ政府は債務軽減と引き換えに、中国側に港の99年間の運営権、および治安警備の権限を譲渡せざるを得なくなったのである。インフラを失い、治外法権も提供するわけだ。
「債務による罠だ。植民地になったと同然だ」
と、嘆き節を発したのは、スリランカの野党系国会議員である。まさに、議員の表現通り、スリランカは中華人民共和国の植民地となった。
中国の一帯一路は、中国製造2025同様に、表向きは「経済政策」だが、実態は「軍事戦略」なのである。あるいは、帝国主義だ。少なくとも、アメリカ政府は中国共産党の狙いを正確に見抜いている。
それにも関わらず、日本の一帯一路に対する論評は、「一帯一路というビジネスチャンスを迎える日本企業」系ばかりだ。
一帯一路は、中国共産党の「冊封体制の復活」という夢の実現に向けた「軍事戦略」であり、兵站の輸送路整備であり、軍艦の停泊港建設なのある。
この現実に目を向けず、
「一帯一路! ビジネスチャンスが訪れた」
としか考えられない日本の政治家、企業経営者たち。
政治家や財界人が愚かならば、せめて国民が正しい情報を知り、事態を是正しなければならない。何しろ、ツケを払わされるのは、我々日本国民なのである。
中国製造2025も一帯一路も、中国共産党の軍事戦略だ。これは事実である。
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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。