マジックマッシュルームは昆虫の脳を混乱させるために進化した (1/4ページ)
マジックマッシュルームとは、シロシビンやシロシンを含んだキノコの俗称でその特徴は主に幻覚作用である。
200以上の種類があるのだが、不思議なことにそれらはお互い関係がない。
常識的には、シロシビンのような複雑かつ強力な幻覚作用を持つ化学物質を作り出すような種は、共通の祖先を持っていると考えるのが普通だろう。
だが、そうではなく、それらは5つの遠く離れた系統に属しているのだ。それはいったいなぜなのだろう?
・「水平移動」により伝搬していったマジックマッシュルーム
これを疑問に思ったアメリカの研究者は、シロシビンを作り出す遺伝子を特定し、さまざまなマジックマッシュルームを比較することで、その謎の解明を試みることにした。
そしてやはり、その遺伝子は同じ起源から生じたものであることが分かった。だが、どういうわけか、”水平移動”というプロセスによって遠く離れた種に伝搬していったようなのだ。
動物、植物、菌類において水平移動は、おそらくトランスポゾンというジャンピング遺伝子がほかの遺伝子を拾い、道連れにしたときに起こっている。
両者が遭遇したとき、菌類がDNAを直接交換することだってあり得るだろうし、また昆虫やウイルスなどの第三者が媒介している可能性もある。
キノコを作る菌類は、菌類の中でも高度で複雑な存在であると考えられているが、このような方法でDNAを交換している場面が観察されたことは滅多にない。
したがって、幻覚作用を持つ持つ化学物質、シロシビンを作る遺伝子については例外だったということは、これがそれだけ重要なものだったということだ。