「英語になった日本語 Kodokushi」ーー海外が報じる日本の孤独死 (3/4ページ)

心に残る家族葬



■ミユがみた孤独死の一側面

アルジャジーラが取材したミユの繊細な優しさは心に残る。彼女は日本で人々が互いの繋がりを希薄にしていることを嘆いており、その指摘は孤独死が多発する原因のひとつの側面ではある。しかし特に家族の問題に関して、その絆を強く結ぶことを全ての人に求めることはできない。各家庭の事情は様々で、その簡単には離れられない愛憎の絆の故に痛ましい事件が起こることも少なくはないのだ。では、家族の機能を補完するものとして地域社会の連帯を見直すことについてはどうか。これに関しては、アメリカのニューヨークタイムス紙が、アルジャジーラとは違った視点から報道している。

■ニューヨーク・タイムズが報じた団地の孤独

ニューヨーク・タイムズは、1961年に完成した東京郊外の公営団地で暮らす高齢者2人を取材している。
この団地では高齢化が進み、孤独死が多発している。取材を受けたひとりは団地ができた当初からの住人で、夫と一人娘に先立たれて一人暮らしする91歳の女性、もうひとりはバブル崩壊のあおりで自分の会社を倒産させて家族にも見放され、ひとりで団地に流れてきた83歳の男性。ふたりには頼り頼られる家族はない。
女性は地域社会との繋がりを持とうとするが、団地ができた当初に一斉に入居した同世代の入居者はみな同じように年をとり、団地全体が高齢化しているために、それは不安定で心もとない繋がりだ。また、男性は自分の生活を豊かに組み立てることを知らない。ひたすら仕事に邁進することが男らしさの象徴であった時代を生きた彼の部屋は荒れ放題で、人との繋がりを積極的に作ることを望まない。
ニューヨーク・タイムズは急速な高齢化の進む東京の郊外で、人が人と繋がり会うための地域の体力そのものが落ちている様子を、二人のライフストーリーを通じてレポートしている。

■先進国の孤独 日本が注目される理由

海外の報道機関が孤独死を報道するのは、高齢化は多くの先進国が共通に抱える問題であり、特に高齢化のスピードが早い日本で、それがどのように国民生活に影響を与え、どのように社会が対処していくのかが注目を集めるからだ。

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