〈企業・経済深層レポート〉 大手4社が火花を散らす ビール業界で勃発した第三のビール覇権争い (1/2ページ)
今年10月の消費税アップを前にして、国内ビールメーカー大手4社で、価格の安さが売りの「第三のビール」の販売競争が過熱している。いったい、ビール業界でなにが起きているのか。
「最近は若い人を中心にビール離れが著しい。そんな中、『RTD(レディー・トゥー・ドリンク)』と呼ばれる酎ハイ、カクテル、ハイボールなどの缶系アルコール飲料が人気。これがビール離れに拍車をかけています」(酒類メーカー関係者)
RTD市場は2015年から3年連続で10%以上の拡大を続けている。それに対しビール系飲料の国内総出荷量は、ビール大手5社が今年1月に発表した統計によると、3億9390万ケースで前年比2.5%減となり、14年連続で前年割れとなった。
「そのジリ貧のビール系飲料の中で、好調なのが“第三のビール”です。業界の救世主としてどのメーカーも力を入れています」(同)
なぜ第三のビールの売り上げが好調なのか。そもそも第三のビールとは、どういうお酒なのかを説明しよう。
「まず、原料に麦芽を使用しているのがビールと発泡酒で、それぞれの違いは麦芽量の比率です。麦芽50%以上がビール、50%未満が発泡酒です。それに対し第三のビールは、原料に麦芽以外の、大豆、トウモロコシなどの穀物を使用し、それにビールの風味をつけています」(大手ビールメーカー関係者)
第三のビールは酒税が安いため、ビールや発泡酒と比較して消費者に低価格で提供できるのが大きな利点だという。
「1缶350_で比較すると、ビールは一般的に205円前後です。発泡酒は152円、第三のビールは133円となります。小売価格で多少違いますが、大筋ではこうした価格設定です」(同)
安価な第三のビールは消費者に受け入れられた。しかし、2004年2月にサッポロビールから第三のビール第1号として『ドラフトワン』が発売されてから15年もたつ中で、改めて「第三のビール」が注目されるのはなぜなのか。
2018年3月にキリンビール(以下、キリン)から、第三のビール『本麒麟』が発売されたことが転機となったという。
もともと第三のビールは、ビールと比較すると味は評判がよくなかった。