脳の保護液の作用を模倣。革新的な自転車用ヘルメットが誕生 (3/4ページ)

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image credit:Trek Bicycle/youtube

・MIPSをさらに発展させた衝撃吸収技術「WaveCel」

 トレックの衝撃吸収技術「WaveCel」はMIPSを進化させたものだ。

 基本、WaveCelはMIPSと同じように機能する。発泡スチロールヘルメットの中に作られた低摩擦面によって自由に動き、衝撃を吸収する。

 が、ここでトレックが気づいたのは、転倒のエネルギーがある程度まで高まると、裏張りと発泡スチロールヘルメットの間の摩擦が蓄積され始めるということだ。そして、摩擦が大きくなりすぎてしまうと滑らなくなり、回転エネルギーを逃せなくなる。

 そこでWaveCellでは、ミツバチの巣のような横断面が三角形になった構造を採用し、エネルギーが蓄積し始めたら、それを吸収して、摩擦が大きくなるのを防ぐよう機能する。

 それを可能にするのがシアリングという作用だ。摩擦が増え始めたら、WaveCellのスライド動作を作り出す素材が、逆方向に動き出すのである。すると摩擦は絶対に蓄積しない。

 これはトランプのデッキを考えてもらうとわかりやすい。

 仮にカード同士ががっちりくっついてたのならば、このときデッキを指で押せば凹みができるだろう。だが、カード同士はくっついていないので、指で押せばカードは前後にスライドし、摩擦も凹みもできない。

 つまり自転車で転倒し、頭をぶつけたときのように、エネルギーの負荷が増大しても、滑りやすさを保ち、大きな衝撃から頭部を守るのである。
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