鳴き声だけ聞こえてくるが姿は見えず。全米で大騒動を引き起こしたミステリー「囚われの猫」。その結末は?(アメリカ) (4/5ページ)
・”囚われ猫物語”がついに終止符。鳴き声の正体が判明!
全米を巻き込んで大捜索が行われていた「囚われ猫」
だが、ついにその正体が判明する。
ニャーニャーという鳴き声に聞こえたその音は、水道メーターが発していた音だったのだ。
-オシュコシュ・ノースウェスタン紙の報道(1月28日付)-
バーナビー建設という建築会社が、家をすべて壊して調べた後、再び新しい家を建てるのをタダでやってくれると申し出た。まさに救世主だ。
しかし、この"囚われ猫物語"は思いもよらぬ形で終止符が打たれることになった。ヴィンセント・カルタ家の幻の猫の正体は、音をたてる水道メーターだった!
突きとめたのは、音響技術者のロジャー・アダムズ。
高感度の音響探知機を使い、壁を注意深く調べて音をたどってみると、猫の鳴き声に聞こえたその音は、水道メーターが発している音であることがわかった。どういうわけか、本物の猫そっくりの音をたてていたのだ。
この水道メーターは新しいものに取り替えられ、22日目にして、カルタ家を悩ませ、全米を巻き込んで大騒動にまでなったニャーニャー事件は解決した。
"哀れな猫"がカルタ家の新居の壁の中で餓死してしまう前に、アダムズは土壇場でこの騒動に参戦した。
「猫などいないのは確実ですよ。犯人は水道メーターでした。間違いありません。エサなしでずっと生きられる猫はいませんからね」
とりあえずよかった。壁に閉じ込められて死にそうな猫はいなかったのだ。
だが誰もが猫の鳴き声だと信じ込んでしまうほどに、その水道メーターの音は猫の鳴き声そっくりだったのだろうか?
当時の音声記録がないのでわからないが、とにかく大騒動だったことは確かだ。