「1万円」で目の前の幸せに気づいたリカ#終わらない恋のはじめ方 (2/6ページ)

ハウコレ

娘は母親がいないとなにもできないし、ふいに気を抜いて目を離すとどこかに頭をぶつけたり、窓から落ちたり、死んでしまうかもしれない。

育児の背後には常に死の恐怖がまとう。そんなことをちょっとでも想像するとゾッとして涙が出そうになる。

それほど、娘を第一に考えている。



都会の地上数十メートルで、娘とふたりきり。窓から見下ろした視線の先には、働く女性や友達とランチに並ぶ女性、歩きスマホで歩く女性、高いヒールをはいて彼氏とデートをする女性・・・。自分もあの景色の一部だったはずなのに、全く違う世界に娘と取り残されてしまったのか。

■ 





今日はリカにとって外の世界の住人である、美里が訪問してくる日。美里は受付嬢時代の同期で、よく2人で合コンしたり、ナンパされにいったり、恋バナしたり。仕事の同期なのに、恋愛話を多くしていたよき遊び仲間だ。



「久しぶり~!うわ、大きくなったねー!赤ちゃんってこんなにすぐ大きくなるんだ! リカに似て美人じゃん!将来有望だね! ママに感謝しなよ~!」半年以上ぶりの再会だが、いまでも美里は底抜けに明るく調子がいい。発言に計算のないさっぱりとした性格だ。

「久しぶり!早く上がって上がって!」30分前に急いで化粧をして髪の毛はとりあえず結んだ状態という、ちょっと不本意な姿でリカは家を案内する。

美里の性格上そんなことを思っているはずないことも知っているが、リカには美里の髪の毛も化粧も洋服もすべてがキラキラして見えて、自分のみすぼらしさが恥ずかしくなる。女としての敗北感・・・友達にこんなことを感じてしまう自分に嫌気がさす。



「最近はどうなの?全然インスタ更新してくれないから生きてるのかもわかんないよー」リカが聞く。専業主婦になってからのSNSは、完全に見る専だ。

「うーん変わらずかなあ。

「「1万円」で目の前の幸せに気づいたリカ#終わらない恋のはじめ方」のページです。デイリーニュースオンラインは、終わらない恋のはじめかた小説女子などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る