「1万円」で目の前の幸せに気づいたリカ#終わらない恋のはじめ方 (5/6ページ)
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終わらない恋のはじめかた
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小説
しかし、自分のコスメと財布だけ入ったあまりにも小さなバックを持ってヒールで歩いているうちに、気分が良くなりテンションが上がってきた。別におじさんと会うことが楽しみなのではなく、こうして自由にオシャレして歩いていることがもはや非日常的で楽しい。リカは最高な気分でラウンジに到着した。そこにいた『Kenさん』は、写真通りのダンディなおじさんで、不快感も全くない。もちろん腕にはロレックス。高そうな細身のスーツも着こなしている。仕事は映像関係と言っており、今日のリカは受付嬢だ。■

姿勢よく、オーバーリアクション気味に、でも声は小さく相手の話に耳を傾ける。リカ自身もびっくりしたが、初対面の男性の前では自然とこれができてしまう。思い返せば、いままで何度合コンや飲み会をこなしてきたか。旦那だって、リカの戦略勝ち。自分の中の枯れていない女の部分に気が付いたリカは、ただただ嬉しかった。
最初は知らないおじさんと、自分を隠しながらの会話なんて間が持つか心配したが、あっという間に時間は過ぎて行った。1時間経ったところでKenさんが、さりげなく1万円を渡してくれた。本当にこれだけでお金がもらえるんだ・・・ とリカはびっくりする。これで稼げるなら自分の中の女を確認するためにも、たまにはいいかもと思った。
リカはお礼を言い、席を立とうとするとKenさんに呼び止められた。「リカちゃんすごくかわいいし、今後も会いたいな。今度は大人の関係でどうかな?3万円は必ず出すけど、欲しい額があったら言ってね」突然の提案にリカは我に返る。そうだ、これはデートでもなんでもなくてパパ活。
数分前まで素敵なおじさんと思っていた人が急に気持ち悪く見え、こんなことに浮ついていた自分へ激しく嫌悪感を抱いた。はっきりと断り、足早に席を外した。