「1万円」で目の前の幸せに気づいたリカ#終わらない恋のはじめ方 (1/6ページ)

ハウコレ

「1万円」で目の前の幸せに気づいたリカ#終わらない恋のはじめ方





子供を抱き、タワーマンションの窓から見下ろす視線の先にはどんな景色が広がっているのだろう。東京で働くOLなら一度は憧れたことがあるような、典型的な幸せをリカは24歳にして手に入れた。

商社マンの旦那と一人娘。都会での3人暮らし。生活の一部を切り取るだけで自然に“映え”る生活。たまたま勝ち組ルートに乗れてラッキーな人生だとまわりからは思われているが、本当は違う。

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リカは就職活動のときから、絶対にハイスぺ婚をすると心に決めていた。別に過去に強いコンプレックスがあるとか、モテなかったゆえの意地とか、いかにもスマホ漫画の広告に出てきそうな女の醜さを持ち合わせているわけではない。

ルックスが良く、学校の勉強が嫌いだったリカは、自分はなにを努力すれば生き残れるか冷静に判断していたのだ。アラサー女子が婚活に焦りだすもう何年も前からリカは自分の市場感を把握し、しかるべき努力をしていた。

受付嬢として就職し、毎日笑顔で社員を見定める。複数の男性からちやほやされるのは楽しかったが、そこに甘んじることはなく、自分の幸せは自分で掴みに行っていた。たまたま見かけた顔がタイプだった今の旦那とは、同期や、リカの取り巻きの社内男子のツテを使ってリカの方から合コンを開催した。ちょっと泥臭い恋愛の努力も、時が過ぎればいずれ笑い話になる。行動がマイナスにはたらくことなどないのだ。

自分の努力で手に入れた幸せにリカは心から満足していた。まだ0歳の娘も愛おしい。だけど、幸せを噛み締めるよりも、今日も一日娘を守り抜かなければならないという大きな任務を背負わされているような気がしてしまう。臨戦態勢、という言葉がしっくりくる。毎日見えない敵と戦っている気分。

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