世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第314回 1997年以上に消費が落ち込んだ’14年増税 (3/3ページ)

週刊実話



 生産性が低迷し、実質賃金が上昇していない(=販売数量が増えていない)状況での値上げは、単にさらなる実質消費の減少を引き起こすだけである。

 しかも、各社の値上げは需要増によるものではなく、消費税増税に備えてのものなのだ。つまりは、オイルショック期と同じ、コストプッシュ型インフレである。コストプッシュ型インフレは、実質賃金のさらなる低下を引き起こす。

 そもそも、’14年の消費税増税により実質消費が減少してしまったことこそが、安倍政権下の実質賃金の低迷の主因なのである。このまま’19年10月に増税を強行すると、さらなる実質消費の縮小、生産性の低迷、実質賃金の低下という悪循環に“確実に”突っ込む。

 安倍政権が少しでも国民のことを考えているならば、消費税増税の凍結(せめて延期)を決断しなければならない。

 消費税増税の根拠は、財務省の「PB至上主義」である。

 財務省は、とにかく計画通りにPB赤字幅を圧縮できれば、国民の生活はどうでもいいのであろう。さもなければ、デフレ期のPB黒字化など、目標に設定できるはずがない。

 我が国は早急に諸悪の根源であるPB黒字化目標を破棄し、財政健全化を目指すならば、せめてグローバル標準の「政府の負債対GDP比率の引き下げ」に切り替えなければならない。さもなければ、デフレ期の消費税増税が繰り返され、国民の貧困化と国家の小国化が継続してしまう。

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みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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