<東京暮らし(10)>「里親」の喜びと苦労 (2/4ページ)

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現在は金銭的な問題などよりは、メンタル面の問題で自分で育てられない人の子どもが預けられているケースが多い。地縁、血縁などのネットワークに恵まれず、周りに助けを求められない「養育の孤立」の解決が大きな課題だと、坂本さんはいう。

ご自宅で話を聞かせてくれた坂本さん
ご自宅で話を聞かせてくれた坂本さん

親による子どもの虐待死などではよく、児童相談所が十分に機能していないのでは、という報道も聞くが、坂本さんに意見を聞いてみた。

「そういう場合もあるかもしれませんね。個々の相談所によって、ヒューマンパワーがまちまちで、充実しているところとそうでないところの差があるというか。所長さんがどういう人か。気持ちのある人がいるかどうか。大きな問題は、人事異動によって何年かに一度、職員が変わってしまう点ですね。その都度、子どもに関する情報は書類で引継ぎされるだけですから、職員が当事者の『心の叫び』まで理解しているのかどうか。私たち里親は、子どもたちの生身の叫びを受けて、時には暴力など悲痛な受け方をすることもある。どん底も経験しますが、その分喜びを感じることもできる。職員の人たちはどん底も喜びも体験することはないかもしれませんね」

坂本さんは里親同士のネットワーク「里親ひろば ほいっぷ」のグループ代表も務めるが、ほかの里親たちからも、「私たち以外に、同じ子どものことをずーっと知っている大人が必要」という声が多いという。それには役所ではなく、民間の組織がふさわしいのではないか。大阪と神戸にある「家庭養護促進協会」のような組織が各地にあるといいと、坂本さんはいう。なぜ民間なのかというと、例えば里親は里子育ての悩みがあっても、児童相談所には本音をいわない傾向がある。養育がうまくできない「ダメな里親」というレッテルを貼られることを心配するからだ。

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