<東京暮らし(10)>「里親」の喜びと苦労 (3/4ページ)

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「行政だけでなく、いろんな人たちが里親や、養育を必要とする子どもの問題を理解し、応援団になっていただければ。国は児童養護施設から里親制度にシフトする方針を打ち出していますが、現状では行政だけで達成できるか疑問です」

と坂本さんは懸念を示す。

苦労の多い里親としての暮らしだが、もちろん喜びもある。

「大きな集団から家庭に引き取った子どもは、ここではいろんなわがままを言っていいし、自分を出し切っていいと知り、どんどん表情豊かになっていきます。人が生きるうえで、信頼できる大人を得るのは絶対に大切です。その意味でやりがいもありますし、里親の制度は大事だと思っています」(坂本さん)

子宝に恵まれなかったが、「子育てをしてみたい」と多くの子どもの養育に携わってきた坂本さん。血がつながっているか否かが、家族としてうまく暮らせるかどうかを決めるわけではないという。

「この子たちと出会ってみて、血縁かどうかは関係ないんだと思いました。一緒に暮らしてみればわかります。血縁であろうとなかろうと、かげがえがないんです。一緒に暮らせば、兄弟で、親子です。もしかすると、血縁の関係よりもいい場合もあるかもしれない。関係をつくりあげるための努力をしますから」(坂本さん)

取材の日には玄関に飛び出して来た5歳の男の子と、14歳の女の子が家に居て、写真に納まってくれた。お姉ちゃんは弟の面倒を見て、とても仲がいいし、障がいのある下の子たちをお風呂に入れてくれるという。上の子が下の子の世話をしている様子を見ているせいか、新しくこの家に来た子も、同じように助け合うのだそうだ。

猫も含めて賑やかな大家族だ
猫も含めて賑やかな大家族だ

生まれついての運命ではなく、その後の縁あっての結び付きだからこそ、努力する。互いが尊い命だということを伝え続けている坂本さんの愛情とメッセージは、18人の子どもたちにしっかり届いているとお見受けした。自分は「信頼できる大人」足り得ているだろうか。

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