大学職員が提訴へ(2)背任罪で刑事告発検討 (1/2ページ)
「世間の常識が通用しないのが私学の世界です。しかも、田中理事長はJOC(日本オリンピック委員会)副会長も務めていたが、反社会勢力との黒い交際疑惑が発覚し辞任した過去がある。日大からは東京五輪に出場する学生も何人かいるので、これ以上、責任の取り方をめぐって追及されることはないと判断したのではないでしょうか」(同)
いくら日本一の学生数を誇る日大とはいえ、田中理事長が居座り続けることで「将来的に経営環境が傾くのではないか」という疑念もある。
「このままでは日大は大学、付属高校ともに志願者が減少する可能性が少なくありません。日大の総収入は平成28年度で約2700億円あり、そのうち約1100億円が学費や受験料で占められている。しかし、田中理事長が自身の進退も含め何の改革もしないのであれば、志望者が減り続け、収入が大幅に減る恐れさえある」(教育関係者)
これからの私立大学にとって、本当に重要なものとは、学生、教授、職員を含めた人材や、寄付金などを集める源泉となる「ブランド力」と「組織力」だ。
「不祥事、その後の対応で後手後手に回った日大のブランド力が著しく低下したのは間違いありません。経営トップの田中理事長が地位にしがみつけばしがみつくほど、組織力も減退する一方です。不透明な学校経営が改善されなければ、銀行も融資を躊躇するでしょう。つまり、日大は抜け出すことのできない負のスパイラルに陥ることもあり得るのです」(同)
人の噂も七十五日。いずれ事件は忘れ去られるとばかりに事態を軽く考えているフシのある田中理事長。これだけガバナンスの問題が指摘されても、執行部の体質は変わりそうにない。日大に関わる多くの関係者が「組織の健全化は望めない」とソッポを向くのは目に見えている。
ノンフィクション作家の織田淳太郎氏がバッサリ切り捨てる。
「誰が見てもおかしいと思うことであっても、それを発言すると、自分の立場が悪くなってしまう。長い物には巻かれろで、口をつぐんでしまうのはワンマン経営にありがちなことです。トップはポストを守りたい、配下の取り巻きは甘い汁を吸いたい。