生理前のイライラ、どう対処する? (2/6ページ)
「イライラする」「不安になる」「涙が出る」といった症状が目立ち、中には、仕事や日常生活に支障が出ているケースも。ほかに、頭痛や腰痛などの生理前の時期の体調不良が原因で、イライラしてしまうという声も出ました。
※マイナビウーマン調べ 調査日時:2019年5月31日~6月3日 調査人数:387人(25~39歳の働く未婚女性)
■生理前のイライラ、ホルモン変動が背景に
―― 前回は、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンの働きや、生理周期が乱れる原因などについて教えていただきました。今回は、生理前の心の症状についての相談です。生理前に何かと不調が起こりやすいことは、女性の多くが経験していると思いますが、なぜイライラしやすくなったり、気分が落ち込んだりする症状が起こるのでしょうか?
高尾先生:まずはじめに、前回のおさらいをしましょう。排卵後、体は妊娠を継続させるためにプロゲステロンというホルモンを出しますよ、とお伝えしましたね。
―― はい。プロゲステロンは排卵を期に増えていくのでしたね。
高尾先生:そうです。その後、妊娠に至らない場合は、プロゲステロンが急激に減っていきます。このプロゲステロンの急激な増減が、生理前の不調の原因のひとつと考えられています。ホルモンの分泌の変化は、体の機能を調節する「自律神経」に影響を及ぼすため、頭痛やイライラなどの自律神経失調症状があらわれやすくなるんですね。ただ、自律神経はストレスによって受ける影響が大きく、女性ホルモンの変化以外にも多くの要因が関係しているといわれています。
一方で、生理前の「嫌だな」と感じるからだの変化もよく考えると、ちゃんと排卵し、プロゲステロンが出た結果、感じる変化なんです。婦人科医としては、みなさんに「生理のサイクルがちゃんと来ているからなのね」と、受け止めてもらえるとうれしいですね。体の変化を肯定的に受け止めるだけでも、気持ちが落ちついて症状が改善することがありますよ。