生理前のイライラ、どう対処する? (5/6ページ)

マイナビウーマン

PMSに対してはどのように作用するのですか?

高尾先生:低用量ピルには、エストロゲンとプロゲステロンが少量含まれていて、これを服用すると、体はエストロゲンがすでに体内にあると錯覚するんですね。その結果、排卵は起こらず、プロゲステロンの急激な増減も起こらなくなるという仕組みです。本来なら、生理周期ごとに女性ホルモンのダイナミックな変化があるわけですが、その変化をなくすことで、「生理前の変化=PMS症状」を起こさないようにコントロールできるというわけです。

[*1]Takeda T et al., J Obstet Gynaecol Res. 2015 Oct;41(10):1584-90.

◇QOLを高くして生きることが自分を守ることに

高尾先生:みなさんに知ってほしいのは、今の時代、調子が悪いことをわかっていながらやり過ごす時代ではないよね、我慢は美徳ではないよねということ。QOL(生活の質)を高く保って生活することは、自分の体や生き方を大事にすることでもあると思うんです。働く女性は、仕事のパフォーマンスを維持することも重要ですよね。低用量ピルなどを上手に活用して、不調を積極的にケアしていこうというふうに、合理的な考え方を持つ女性が増えるといいなと思います。

もちろん、薬というものは当然副作用があったり、効果も個人差があったりするものですが、医師と相談しながら用法・用量を守って正しく使えば過度に心配しすぎる必要はありません。

また、治療がうまくいくかどうかは、その人の向き合い方でも変わってくるもの。自分でそうしたいと思って納得して薬を使うのと、勧められて嫌々やるのとでは、治療効果や継続率がちがってきたりします。だからこそ自分はどうしたいのかを大事にして、自分の体や心と向き合って自分で決めることが大切ですよ。

ちなみに低用量ピルは、月経困難症(生理が重い)や子宮内膜症の場合には、保険適用となります。自費の場合でも、ひと月3,000~4,000円くらい(東京での相場) で処方してもらえます。

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