香港が「平均寿命で世界一」になった“高齢者の生きやすい環境”とは?

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 先ごろ、厚生労働省から2018年の日本人の平均寿命が発表され、男性は81.25歳、女性は87.32歳と、いずれも過去最高を記録した、長寿大国・日本。しかし国際比較では、男性の首位は82.17歳で、実は香港。そして女性の1位も、87.56歳で香港なのだ。なぜなのか。
 
「かつて香港は、平均寿命は高くありませんでした。しかし、事態を改善しようと香港政府が2000年に健康促進のプロジェクトを立ち上げ『毎日運動をすると体にいい』のキャッチコピーのもと、公園や運動施設などを徹底的に増やしていったのです。そうした努力が実を結んだとも言えますね」(厚労省関係者)

 寿命を伸ばすために行政が率先して動く。日本で言えば減塩運動などを進める長野県が思い出されるが、香港には他にも、高齢者のための様々な取り組みがある。

「香港では、65歳以上になると“長者カード”というものが支給され、交通機関や病院やスーパーで割引をしてもらうことができ、銀行などで商品券ももらえる。つまり大前提として、高齢者が生きやすい環境が整っていると言えます。さらに香港はグルメ大国である一方、食事で病気を予防するという“医食同源”の意識が非常に強い。香港島にある漢方薬街では、市民は病気にかかっていなくても、更年期や冷え性などに効く漢方をマメに処方してもらい、健康のために習慣的に飲んでいるんです」(健康ライター)

 とはいえ、ここ数年、香港市民は肺がんに苦しみ、昨年も男女とも死亡率のトップは肺がん。これを克服すれば、当面の間、平均寿命首位の座は不動なのかもしれない。    

(蓮見茂)
 

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