超話題“タブー上等”昼ドラ『やすらぎの刻~道』Pが語る現場裏話!【前編】 (4/7ページ)

日刊大衆

 倉本先生がホン(脚本)を書かれたのは1年以上前なので、紛れもない偶然なのですが、そういうことも含めて、それが大作家、巨匠と言われる由縁なのかなと思います。視聴者は勘違いして「時事ネタをぶっこんできた。攻めてるな」とSNSで書き込んだりされていますね(笑)。

――「攻めている」といえば、テレビ界への批判をバーンとぶつけたりされていて、倉本先生しかできないことだと思います。

 前作の『やすらぎの郷』の企画書を先生から受け取ったときに「『やすらぎの郷』というのはテレビ界で活躍した人だけが入れる、ただし、テレビ局の人間だけは絶対に入れない」と、1枚目に書いてあったんですね。

 おそらく、この作品は倉本聰先生の、今のテレビドラマやテレビ界に対する“挑戦状”なんだと思います。先生ご自身も、これまでの名誉や実績を全部賭けて勝負をするつもりなんだというのが分かったので、受け取った時に「これを自分がやるのか」と……。同時に、先生に「お前、それをどこまで画にできるんだ?」と言われた気がして。

 ですので、この作品に関しては、タブーがないんです。たとえば「テレビの視聴率に対するタブー」について、別に言ってはいけないということではなくても、テレビ業界では誰もがあえて言わなかったことを言っています。

 普通の作家が書いたことなら、放送までいかないでしょう。「ふざけるな」ってどこかにお叱りを受けて、途中で止まってしまいます。でも、これだけの大作家だから、みんな耳を傾けてくれる。言えないことが言えるんです。

 84歳の倉本先生がすべてをかけて“攻めてる”のに、我々が怯んだり、やめておこうと思ったりしたらダメでしょう。我々も先生がやろうとしていることを、なんとか形にしようと思って、脚本にあったいわゆる“挑発的なこと”、“業界に対する攻撃的なこと”は、ほぼ全部、ドラマの中に入れるようにしています。

 社内でも「これ、本当にやるの?」という意見は、台本の段階からありましたが、ほぼ、先生がやろうとしていること、我々がやろうとしていることはやっていると思います。ものすごい労力だと思うんですよ。

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