世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第338回 消費税の廃止を求める(後編) (2/3ページ)
ポイント還元に参加する企業は、クレジットカード会社などのキャッシュレス事業者と契約し、仕組みを整え、経産省の審査を受ける必要がある。逆にいうと、キャッシュレス決済を導入する余裕がない「弱小」の小売店は、ポイント還元の対象にならない。
しかも、ポイント還元の小売店が、インターネット上の地図で検索できるようになってしまう。消費者側は、インターネットで「このお店はキャッシュレス対応している」と確認した上で、選別的に買い物ができる。キャッシュレス導入ができなかった弱小小売店は、インターネットに掲載されず、選択肢から漏れる。
経済産業省によると、キャッシュレスによるポイント還元を10月1日から実施できる小売店は、全国約200万店舗のうち、60万店舗ほどとのことである。140万店舗はポイント還元の対象外で、普通に10%増税での販売になる。
実質賃金の低迷が続き、相変わらず「安い製品」ばかりを追い求める日本の消費者が、果たして税率が高い弱小小売店で買い物をしてくれるだろうか。
明らかに、「キャッシュレス決済の準備ができる強い小売店に優しく、準備不可能な弱小の小売店には冷たい」という、格差拡大型の制度になっているわけだ。
加えて、今回のポイント還元は消費者側に対しても、格差拡大型なのだ。
クレジットカードやキャッシュレスの支払い手段を持つ「相対的な強者」は、例えば、1万円の品に消費税10%がのり、1万1000円。そこから5%の値引きになるため、1万450円の支払いになる。550円分のポイント還元で、事実上の「消費税減税」になるのである(但し、’20年6月までの限定だが)。
ところが、キャッシュレス決済の手段を持てない「相対的な弱者」は、普通に1万1000円の支払いになる。
消費者についてまで、相対的な強者に減税し、弱者には普通に増税する。見事なまでの「逆累進課税」の需要縮小対策なのだ。
さらに、前述の通り、キャッシュレス対応のポイント還元は、’20年6月末までで、その時点で「再増税」。