不動産取得税や登録免許税などの流通税の節税として注目されている信託とは (1/2ページ)
所得税や相続税の節税の観点から、個人で所有する不動産を、資産管理会社に移したいというニーズが昔からあります。個人で持っていれば累進課税で課税されるため所得税が大きくなりますし、相続税の対象にもなります。それを法人に移転すれば、法人で利益を家族に分散することもできますし、相続財産が低い金額で評価される株式に転換されます。
こういう訳で、不動産投資の節税の王道は法人化ですが、その際にネックになるのが登録免許税などの流通税です。法人に不動産を売却する場合、原則として流通税として、以下の税金がかかります。
■流通税
1 不動産取得税
(1) 土地 固定資産税評価額の3% (2) 建物 固定資産税評価額の4%
2 登録免許税
(1) 土地 固定資産税評価額の15/1000 (2) 建物 固定資産税評価額の20/1000
これらの流通税を削減する方法として、信託が注目されています。
■信託の流れ
信託とは、財産の運用などを委託する者(委託者)が、その委託を受ける者(受託者)に資産を移転し、その受託者が運用した利益を受ける者(受益者)に受益権という利益を受ける証券を発行して、利益を移転するスキームを言います。
先の流通税の削減の場合、不動産を持っている個人が委託者兼受益者となり、不動産を運用する資産管理会社を受託者として信託を組成します。その後、その個人が受益者として持っている受益権を、資産管理会社に譲渡します。
こうした場合、登録免許税は原則として以下の通り計算されます。
1 所有権移転及び信託登記
(1) 土地 固定資産税評価額の3/1000 (2) 建物 固定資産税評価額の4/1000
(2) 受益権売買による受益者の変更登記
物件の数×1000円
加えて、不動産取得税については、不動産を受託者に信託しても課税されないとされています。その他、このスキームで信託受益権を委託者が受託者に売買しても、不動産取得税は原則として課税されないとされています。