田中角栄「怒涛の戦後史」(12)元首相・佐藤栄作(中) (3/3ページ)

週刊実話

それに対して、田中はこう呟くように言ったという。

 「いいんだ。佐藤政権の泥はワシが全部かぶる」

 「沖縄返還」を成就し、佐藤政権をまっとうさせることが自らの天下取りにつながると、田中は佐藤を支え続けてきた。しかし、一方でジワリ、やはり「ポスト佐藤」を視野に入れた福田赳夫が、佐藤に接近していると取り沙汰されるようになってきた。

 佐藤は田中が幹事長のときに福田を大蔵大臣に就け、田中が幹事長を更迭されると、その後釜に福田を持ってきている。佐藤は自らの後継に、いったい誰を描いているのか。チラッと、佐藤への不信感もかすめる田中であった。
(本文中敬称略/この項つづく)

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【著者】=早大卒。永田町取材49年のベテラン政治評論家。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書に『愛蔵版 角栄一代』(セブン&アイ出版)、『高度経済成長に挑んだ男たち』(ビジネス社)、『21世紀リーダー候補の真贋』(読売新聞社)など多数。

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