着物の文様から絵師・鈴木春信の浮世絵「風俗四季哥仙」を読み解く!春信の魅力 その3【後編】 (6/7ページ)
源氏物語の中で源氏は長年探していた亡き恋人“夕顔”の娘と出会えたことを、“玉がつながるアクセサリーのように繋がっていたのだ”と思い、娘の名を“玉鬘”と名付けたのです。
源氏物語の“玉鬘”の内容は、夕顔の乳母が事情があって九州に移り住まなければならなくなった時に、“夕顔の娘の姫君”である“瑠璃君”を一人置いていく訳にもいかず連れていきました。瑠璃君は気品のある大変美しい娘に成長し、多くの殿方に愛されました。
その中でも肥後(熊本県)の役人であり有力者である男に、瑠璃君は熱烈に求婚されます。しかしその男は30歳くらいの大柄で太っている豪傑のような人なので、瑠璃君にとっては恐ろしくて結婚どころの話ではなく、乳母の長男の尽力で京の都に戻ることになり、やがて源氏と再開するという話なのです。
前述の能『高砂』の阿蘇神社の神主も肥後(熊本県)の人です。何か縁を感じてしまうのは筆者の深読みでしょうか。
また“玉鬘”というのは“毛髪”を美しく呼ぶ呼称でもあり、転じて“どうにもならないこと”や“運命”を表すとも言われています。
鈴木春信の意図はどこにあるのでしょうか。奥が深いです。