死亡者数5000万人も!?「死ぬかぜ」と「危険なかぜ薬」 (2/5ページ)

日刊大衆

「また、高齢者や呼吸器疾患を持つ方は肺炎になるリスクが高く、重症化して死を招くことさえあります」(前同)

 カゼとインフルエンザの違いを木村医師にもう少し詳しく解説してもらった。「カゼの原因菌はウイルスや細菌など約200種類あるといわれるんですが、インフルエンザはA、B、C型あるインフルエンザウイルスのみで発症します。また、カゼの症状は比較的ゆっくり表れ、鼻水が出る、喉が痛い、などの局部症状が多いんですが、インフルエンザは発症が急で、高熱のほか、関節痛や高熱、強い倦怠感などを伴う全身症状になる特徴があります」(木村医師)

 これに加え、インフルエンザウイルスは、カゼを引き起こすウイルスや細菌に比べて、感染力が非常に強いのだ。

■スペインカゼは推定死亡者数5000万人

 この強力な感染力で、人類は過去何度も痛い目にあってきた。被害が大きかったのは、1918~21年に猛威を振るったスペインカゼ(推定死亡者数5000万人)や1957年のアジアカゼ(同100万人)、1968年の香港カゼ(同300万人)や1977年のソ連カゼ(同100万人)だ。カゼと名前がついているが、これはすべてインフルエンザウイルスによるもの。

 ちなみに、史上最も致死率が高いとされたペスト(黒死病)でも推計5000万人の死者数だから、インフルエンザがいかに怖いかが分かるだろう。

 医療ジャーナリストの牧潤二氏によると、「過去に大きな被害をもたらしたインフルエンザは、すべて“新型”のインフルエンザウイルス」だという。

「インフルエンザウイルスは遺伝子の形を少しずつ変えているんですが、何かの拍子に大きく変化することがあります。これを“新型”と呼んでいるんですが、新型インフルエンザウイルスは人が持っている免疫システムでうまく対応できないため、感染が広がりやすく、爆発的な大流行(パンデミック)になりやすいんです」(牧氏)

 実は、2009~10年にもメキシコで、豚由来で大きく変化した新型インフルエンザウイルスが出現し、100人以上が死亡したことがあった。

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