「自分はリア充で、小説家としてはイロモノ」 早見和真が考える作家としての自分の位置とは (1/5ページ)

新刊JP

『ザ・ロイヤルファミリー』を執筆した早見和真さん
『ザ・ロイヤルファミリー』を執筆した早見和真さん

父から子へ。競馬の世界を舞台に、血と夢の継承をテーマにした小説が『ザ・ロイヤルファミリー』(新潮社刊)だ。

税理士の栗須(クリス)は、ビギナーズラックで当てた馬券のせいで、ワンマン社長として有名な馬主・山王の秘書になる。「ロイヤルホープ」と「ロイヤルファミリー」という2頭の馬を中心に立ち向かう者たちを描いた意欲作で、最後のシーンは誰もが手に汗を握ってしまうと同時に、最後のページで本当の希望を見ることになるだろう。

作者である早見和真さんのインタビュー後編では、早見さんご自身を中心に話が展開する。
「結果が出なかったら身の振り方を考えないといけない」とまで語る本作。
2019年の有馬記念は12月22日。その前にぜひ読んでほしい一冊だ。

(取材・構成・写真:金井元貴)

■早見和真から見た小説家たちの世界と、自分がいる位置 ――『ザ・ロイヤルファミリー』は競馬を知らない人が楽しめる小説です。大河ドラマ的な部分もありますよね。

早見:まさに想定していた読者は競馬を知らない人たちです。もっと言うなら、ギャンブルが嫌い、競馬が嫌いという人っていますけど、そういう方に読んでもらえたらいいなと思っています。書店員さんから感想をいただくと、今まで競馬を嫌悪していたという方ほどコメントが熱いですね。

――馬は常に凛としていますけれど、その周りを取り巻く人間たちがすごく純粋なのが印象的でした。

早見:その部分は新潮社と最後まで話し合いました。つまり、この物語はきれいすぎるのではないかという思いもあったんです。

競馬というと、昼間から飲んだくれるおじさんたちが競馬新聞を持って馬券を買っている…というイメージがあると思います。むしろそれが大多数のイメージであろうと。

だったら、美しく物語を描ききることが競馬のステレオタイプに対するカウンターになるのではないか。その期待がありました。旧来のイメージをひっくり返すなら、この書き方ではないだろうと。

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