クリスマスケーキの廃棄をなくしたい! 変えていくにはどうすればいい? #もやもや解決ゼミ (2/5ページ)
このような季節商材は正確な需要の量を予測することがほぼ不可能です。
クリスマスケーキは「中食」用の商品です。中食というのは「家庭外で調理された食品を家に持って帰って食べること」です。この中食の消費者がクリスマス当日にどのような行動を取るのか、を予測するのはとても難しいことです。
例えば独身者だとして、昨年のクリスマスにケーキを買ったから今年も買うだろうという予測が当たりますか? 友達に誘われてパーティーに行ってしまうかもしれませんね。また家族を持つお父さんだとして、昨年買わなかったら今年も買わないだろうという予測は当たるでしょうか? お子さんに言われて今年はケーキを買って帰宅するかもしれません(笑)。
生産者側(流通も含めて)にも困難があります。
例えばコンビニやスーパーなどのチェーン店では、お客さんが来店したときに「目的の商品が『ない』」という事態をとても恐れます。販売の「機会損失」と考えますし、「カスタマー・ロイヤリティー」※が落ちるからですが、そのためどうしても生産数は過剰気味になります。
また、チェーン店の中の「ある店舗」だけが「たとえ売り切れたとしても売れ残るのは避けたい」と思っても、もしその店舗にお客さんが来て「売り切れじゃないか!」といったことが起こったら、チェーン全体のブランドに傷が付きますので、なかなかそれもできません。
つまり、クリスマスケーキはそもそも季節商材で売れ残りを別の日に売り切ることが難しく、消費者からの需要を正確に予測するの が難しい上に、イベント性が高く欠品を我慢してもらうというわけにもいかない。そのため、どうしても過剰供給になり、廃棄される数も多くなってしまうのです。
※カスタマー・ロイヤリティー(customer loyalty)とは、ある商品、ブランド、サービスに感じる信頼や愛着のこと。
廃棄を食い止めるにはどうすればいいの?このような食品の廃棄、食品ロス問題は、生産者だけではなく消費者にも責任があります。