賢さは脳の大きさよりもむしろ血流にあった。人類の祖先の頭蓋骨からわかったこと(南ア研究) (4/4ページ)
縦軸が内頸動脈の血流量、横軸が年代(100万年単位)image credit:Roger Seymour
・ヒトの脳は大きさ以上に多くの血液を必要とした
人間とそれ以外の多くの現生霊長類の場合、内頸動脈の血流量は、脳の大きさに直接比例しているように見える。つまり、脳の大きさが2倍になれば、血流量もまた2倍になるということだ。
これは意外なことではある。というのも、ほとんどの内臓の場合、そのサイズが大きくなっても代謝率は少しずつしか上昇しないからだ。哺乳類では、内蔵の大きさが2倍になっても、代謝率は1.7倍にしかならない。
このことは、霊長類の脳の代謝強度(脳1グラムあたりのエネルギー消費量/毎秒)が、そのサイズの拡大から予測される以上に増加してきたことを物語っている。ヒト亜科だと、この増加率はさらに大きくなる。
アウストラロピテクスとホモ・サピエンスとでは、脳の大きさにほぼ5倍の違いがあるが、血流量には9倍の開きがある。つまり我々の脳は、先祖より2倍多くのエネルギーを使っているということだ。それがシナプス活動と情報処理の増加に起因することは明らかだ。
どの霊長類でも脳の血流量は長い間に増加したようだが、ヒト亜科の増加率は特に際立っている。こうした変化は、道具の発達や火の使用、小グループ内でのコミュニケーションと並行して生じてきた。
References:How smart were our ancestors? Turns out the answer isn't in brain size, but blood flow/ written by hiroching / edited by parumo