痛々しいけど愛おしい♡室町時代の中二病文学「閑吟集」より特選14首を紹介【上】 (2/5ページ)

Japaaan

抑圧される民衆が、そのやるせなさを和歌に詠んだ

それは自我の確立しきっていない思春期の青少年が、自分の特異性を主張するように常識を否定し、社会規範からの逸脱を図ろうとする「中二病」そのもの。

歌道の文化が成熟し、様式が確立された現代の視点からすれば「痛々しい」「幼稚」とも思われるかも知れませんが、現代に至るまでにはそうした苦悩や葛藤の歴史があったことを知り、先人たちに思いを寄せるだけでも、日本文化に対する理解がより深まるのではないでしょうか。

過酷な暮らしの中を這いつくばって生きていた人々が、その鬱屈した感情を和歌に詠むことで、明日への活力を見出していた……『閑吟集』は、そんな情景を偲ぶ縁(よすが)となるでしょう。

1、な見さいそ な見さいそ 人の推(すい)する な見さいそ

【意訳】あまり見ないで、私たちの関係を知られてしまうから、あまり見ないで……

「な~そ」とは禁止の意味で、繰り返し使うことで自分たちの関係が公然となってしまうことへの恐れが表現されています。

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