痛々しいけど愛おしい♡室町時代の中二病文学「閑吟集」より特選14首を紹介【上】 (5/5ページ)
もちろん、京の都にはもっとたくさんの名所・名物がありますから、そうした歌も多く詠まれていたものと思われます。
5、仰る闇の夜 仰る仰る闇の夜 つきもないことを【意訳】あなたは「闇の夜に逢おう」と仰(おしや)るけれど、何度も何度も仰るけれど、月もないので逢えません。
仰るを「おしやる」と変化させると、現代語の「おっしゃる」に比べて、語感がちょっとガサツでつっけんどんな印象。
下心むき出しの無粋な男が「闇夜に逢おうよ、逢おうよハァハァ」としつこく押しやり(仰り)迫って来るのを、うんざりしながらあしらう女性の表情が目に浮かぶようです。
また、「つきもない」には「とんでもない」「不相応な」という意味もあり、「この下郎め、私に相応しい相手かどうか、鏡を見てから出直していらっしゃい」というメッセージも込められています。
……さて、ちょっと長くなってしまったので、続きはまた次回とさせて頂きます。
【続く】
※参考文献:
浅野建二 校注『新訂 閑吟集』岩波文庫、1989年10月16日
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