痛々しいけど愛おしい♡室町時代の中二病文学「閑吟集」より特選14首を紹介【上】 (4/5ページ)
3、夢幻や 南無三宝(なむさんぽう)
【意訳】この世の中が夢、幻のようなものと知ってしまった。仏の教えにすがることで、この虚無感から救われるだろうか。
【意訳その2】元から夢、幻みたいな三宝にすがろうなんて、お前はバカか?(笑)
南無(なむ)とは南無阿弥陀仏や南無妙法蓮華経のように「私をお救い下さい」の意味で、三宝(さんぽう)とは仏・法・僧(ぶっぽうそう)、すなわち仏とその教え(法)、そして救いへと導いて下さる僧侶を意味します。
多くの人々にとって救いの縁(よすが)となる三宝が夢幻とあっては、一体何に救いを求めればいいのか……そんな動転ぶりと、それを嘲り笑う「中二病」ぶりが併せ詠まれた一首です。
4、やれ 面白や えん 京には車 やれ 淀に舟 えん 桂の里の鵜飼舟よ
「やれ」と「えん」は囃し立てる掛け声。京都近郊の名物をテンポよく並べた一首です。
京の都には牛車が行き交い、淀川(よどがわ)にはたくさんの舟、そして桂川(かつらがわ)の鵜飼……ただそれだけの内容ではあるのですが、こうした風景が多くの人々から愛されていたのでしょう。