痛々しいけど愛おしい♡室町時代の中二病文学「閑吟集」より特選14首を紹介【上】 (1/5ページ)

Japaaan

痛々しいけど愛おしい♡室町時代の中二病文学「閑吟集」より特選14首を紹介【上】

「何せうぞ くすんで 一期は夢ぞ ただ狂へ」

【意訳】しょせん一睡の夢に過ぎぬこの浮世で、こざかしく立ち回って何になる。心の命じるまま死ぬ気で生きて、「常識の向こう側」へ突き抜けろ!

このフレーズで有名な『閑吟集(かんぎんしゅう)』は、室町末期から戦国初期にかけて成立した、当時の流行歌集です。

新元号「令和」の典拠として注目を集めた奈良時代の『万葉集(まんようしゅう)』は、素朴でのびやかな歌風から「日本の青春文学」と呼ばれることがありますが、それに倣えば『閑吟集』は、さしずめ「日本の中二病文学」と言ったところでしょうか。

今回はそんな『閑吟集』の魅力を表した特選14首を紹介したいと思います。

「中二病」文学を生み出した、室町末期の過酷な暮らしと人々の鬱屈

その前に、なぜ『閑吟集』が中二病となったのか、成立の背景となった社会状況などをごくざっくりと紹介しておきます。

時は室町末期、幕府の権威も形骸化しつつあり、社会秩序の破綻と崩壊を反映するように、和歌のあり方も既成の形式作法から逸脱。美意識の新たな可能性を求めて足掻きもがいているかのような蠢動を見せていました。

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