武士の身分を取り戻せ!明治維新の戦場を駆け抜けた甲賀忍者たちの武勇伝【中】 (5/5ページ)

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また、既に数名を潜伏させており、我らが至れば陣中より攪乱させる手筈も整ってございます」

これを聞いた両大将は膝を打って喜び、その作戦を許可。旗本隊の中から甲賀隊と特に選抜された者を別動隊として編成。残りの者は岩国・高鍋両藩と共に正面からの攻撃を再開します。

「よいか。灯りをつけずに夜目を利かせるには……物音を立てずに進むには……」

忍術の知恵を駆使して敵陣に肉薄する甲賀隊(イメージ)。

本隊が庄内藩の注意を引きつけている間に、別動隊は甲賀流忍術の本領を発揮して険阻な山中を踏破。いよいよ最後の渓流を越えようとしたその時です。

「敵だーっ!敵襲ーっ!」

庄内藩の見張りに発見されてしまい、たちまち銃撃の雨が別動隊の頭上に降り注がれました。

「ここまで来たら、後には退けぬ!総員、突撃!」

「「「おぅっ!」」」

手に手に銃に刀に槍に、おのおの得物を構え、敵陣目がけて駆け出したのでした。

【続く】

※参考文献:
藤田和敏『〈甲賀忍者〉の実像』吉川弘文館、2011年
大山柏『戊辰戦役史 上下』時事通信社、1968年
和歌山県立文書館「文書館だより 第36号」和歌山県立文書館、2013年

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