モンゴルに自由と統一を!日本人と共に民族独立を目指したバボージャブ将軍の戦い【一】 (5/6ページ)
「……だったらどうするんだ?このまま日本がロシアに敗れるに任せ、『やっぱり白人様には勝てないんだ』『俺たちモンゴル族は、未来永劫ロシアと清国の奴隷でいるしかないんだ』って、いじけた人生をただ引き延ばし、惨めに命を永らえるのか……?」
否、否……断じて否だ!……ついにバボージャブ青年は立ち上がりました。ここで日本を見捨てたら、俺たちモンゴル族は、いや黄色人種は、ずっと大国のエゴに虐げられたままだ!
そんなモンゴル族たちの熱い思いと民族独立の野望を知っていた日本側は、「花大人(ホァ・ターレン)」のあだ名で大陸民衆に親しまれていた陸軍の情報幹部・花田仲之助(はなだ なかのすけ)予備少佐を派遣します。
「満蒙(まんもう。満洲&モンゴル)人を組織して、ロシア軍を後方から攪乱せよ」
「了解しました」
特命を受けた仲之助は、さっそく「満洲義軍(まんしゅうぎぐん)」を結成、各地で義勇兵を募ります(もちろん、清国およびロシアの支配下ですから、大っぴらには出来ません)。
「……バボージャブさんですね……今夜20:00、町はずれの酒場までお越し下さい……」
何だかスパイ映画のような展開にワクワクしながらバボージャブが行ってみると、そこにはあの「花大人」が、例によって胡散臭いオーラを発しつつ、怪しげな男たちと談笑していました。