世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第368回 現金給付とピンハネ税 (2/3ページ)

週刊実話



 あるいは、4月14日、自民党、立憲民主党の両国対委員長が、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国会議員の歳費を1年間、2割削減していくことで一致したとの報道が流れた。正直、筆者の心は怒りに染まった。

 目の前で「飢え」に苦しむ膨大な数の人々が倒れ伏している状況で、
「可哀想に。じゃあ、自分も一食抜く」
 と言ってのける政治家を何と呼ぶべきだろうか。「人間の屑」以外に思いつかない。

 ええ格好しいのスタンドプレーに興じている暇があるならば、さっさと食べ物を調達して、飢えている人々を救うべきではないのか。しかも、日本政府は国民を救うパワーは持っているのだ。

 ところが、長年のデフレとルサンチマン蔓延で、我が国では「カネを使わないことが善」という間違った価値観が共有されてしまった。結果的に、危機において政治家は「自分の歳費を減らす」と、全く国民のためにならない政治パフォーマンスに走る。

 結局のところ、国民経済の「誰かの支出は、誰かの所得」といった基本すら知らない政治家たちにより、日本の政治は取り仕切られているわけだ。衰退するのも、無理もない。

 菅官房長官が給付金を受け取らないと、その分(わずかだが)国債発行+財政支出が減り、国民の貨幣が増えない。所得も増えない。官房長官自ら「国民の所得を増やすことに協力しない」と宣言しているわけだ。

 所得創出のプロセスという、経済の基本中の基本すら理解せずに、政治家を称するのはやめてほしい。官房長官自ら、国民の所得を減らす行為に手を染めてはならない。

 もっとも、より愚かというか、率直に言って「狂気」としか表現できないことを言ってのけたのが、広島県知事である。広島県の湯崎知事は、新型コロナウイルスの感染防止対策として、休業した事業者に支給する支援金の財源に、国から県の職員に給付される10万円の活用を検討していることを明らかにしたのだ。

 明確な私有財産権の侵害だ。

 発言撤回はしたものの、本来、広島県知事がやるべきことは、
「休業補償をするために、政府に地方交付税の増額を求めること」
 であり、職員の懐から不法にカネを奪うことではない。
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