世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第368回 現金給付とピンハネ税 (3/3ページ)
広島県の財源が不足しているのは、日本政府の緊縮財政が問題であり、別に「公務員が恵まれすぎている」といった理由からではない。それどころか、現在、多くの国民が国民の生活や生命を守るために現場で奮闘している。国民のルサンチマンを煽り、緊縮財政を正当化するのは、いい加減にするべきだ。
菅官房長官や湯崎知事の発言により、国民に「交付金を受け取るのは申し訳ない」との変な空気が蔓延することを恐れる。ちなみに、筆者はもちろん申請し、受け取り、即座に消費する。
ところが、よくよく考えてみると、10万円の給付金を受け取ったとしても、実際に支払えるのは、9万円なのである。厳密には、9万909円だ。何しろ、給付金を使おうとした場合、消費税という「罰金」を取られることになる。10万円の現金給付を全額消費に使おうとすると、消費税率が10%であるため、実際には「=10万円÷1.1」で、9万909円の購買力しかないのである。
つまりは、消費税は「消費に対する罰金」であると同時に「給付金という救済措置への罰金」でもあるわけだ。まさに「ピンハネ税」と呼ぶべきだろう。せっかく実現した現金給付10万円も、政府にピンハネされる。
というわけで、大規模経済対策の第一歩たる現金給付10万円は何とか実現しそうだが、ゴールは遠い。粗利補償で企業を守り、PB黒字化目標を破棄させ、そして消費税率0%を実現しなければならない。
消費税はピンハネ税。この単純な事実を国民が共有する必要がある。もっとも、10万円の給付金を受け取ったとき、誰もが身をもって理解することになるわけだが。
広島の湯崎英彦県知事
みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。