元ヴィジュアル系バンドマンに聞く「令和のセカンドキャリア論」 #この会社の片隅に (1/6ページ)
文:あーりん(マイナビウーマン 編集部)、撮影:洞澤佐智子
イヤホンを耳に突っ込みながら原稿を書いている最中、流れてきたのは大好きだったヴィジュアル系バンドの曲。そして、会社の片隅で、ふと考えることがある。
「このバンドも、あのバンドも解散しちゃったけど、今麺たちは何をしているんだろう(あ、麺ってのはラーメンじゃなくて、バンドメンバーのことね)」
10年前バンギャとして生きていた私は、バンドメンバーがおじさんになって食いっぱぐれた時、死ぬ気で働いて養おうとかアホなこと考えていたのに。いつの間にか、その誓いを忘れてもはや貯金すらしていない、やばい。
今回話を聞いたのは、6年前、人気絶頂の最中解散したヴィジュアル系バンドν [NEU]のリーダー、ヒィロさん。実は彼、バンド解散後にエステティシャンに転身。予約の取れない美容サロン『Lily』のオーナーとして働く、異端のビジネスパーソンだ。
万年ステイホームの編集部あーりんが「憧れの麺に会いたかっただけ」という私情を頭の片隅に追いやって、セカンドキャリアの見つけ方を探ります。
■「もう音楽を伝える資格がない」と悟った瞬間
6年前、人気絶頂に思えた中でのバンド解散は衝撃でした。そもそもなぜν [NEU]の活動を終えようと思ったのでしょう。 解散のきっかけは単純にバンドの「純度」が下がったからですね。 純度?うん。ν [NEU]の活動は約5年やってきたんですが、たくさんのことを経験しました。オリコンチャートに音源がランクインして、メジャーデビューして、大きな箱でライブをして。その一つ一つが純粋にうれしかった。
でも、そんな状況にだんだんとまひしていった僕たちもいて……。
なるほど、確かに喜びの純度って何事も「初めて」が一番かもしれない。解散前、ヒィロさんの中で何か決定的な出来事があったんですか? 最後に決意した瞬間は、ツアーで広島にいた時でした。テレビを見ていたら、僕たちの曲がチャートで5位にランクインしていたんです。なのに、その時の僕は全くうれしくなかった。そんな自分に「ああ、クソみたいな状況だな」って。 普通だったら、手放しで喜ぶような瞬間ですよね。