死ぬまで秘めた恋心……一番槍を果たしながら「賤ケ岳の七本槍」から洩れてしまった名将・石川一光【下】 (6/6ページ)
あの時、兜を受け取って、代わりの兜を与えていれば、もしかしたら……そう思い返して、三人は男泣きに泣いたのでした。
エピローグ・勇者の屍を乗り越えて歴史物語においては往々にして勝者、こと生き残った者にのみ注目が集まりがちです(生き残った勝者が記録することが多いため、仕方ないとも言えますが)。
しかし、敗者にもその信じる正義があったことはもちろん、死んだ者もまた、勝ち残った者以上の功績を上げることも少なくありませんでした。
実際、後世(江戸時代)の兵法家・山鹿素行(やまが そこう)は「賤ケ岳の七本槍には、福島正則よりも石川一光をこそ加えるべき」旨を述べるなど、再評価されています。
これまで数知れぬ勇者たちが命を顧みず困難へ挑み、その累々たる屍の上に生き残った者たちが新たな時代を切り拓いて来ました。
まだ私たちの知らない英雄たちが、歴史の中で眠っているのを、これからも見つけていきたいものです。
【完】
参考文献:
池上裕子ら編『クロニック戦国全史』講談社、1995年12月
高柳光寿ら『戦国人名辞典』吉川弘文館、1973年7月
白川亨『石田三成とその一族』新人物往来社、1997年12月
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