頭を使って取り組んだ選手がコロナ後に強くなっている (3/6ページ)
しかし今回の自粛期間中にプロモーターから「前日計量のほうがいいんじゃないか」という意見も出てきたという。
前日も当日もどちらの計量も経験している志朗は疑問を投げかける。「たぶん前日計量になったら(当日計量と比べると)余分に落とせるんじゃないかということで、減量して(試合当日は体を大きくして)くる選手が多くなる。そういう意味で(減量失敗の体重超過で)試合をキャンセルする確率は前日計量のほうが多くなる気がしますね」
■両極端な国・タイ
ギャンブルありきが絶対条件のタイのムエタイとその他の国で行われるムエタイは似て非なるもの。前者はギャンブラーのためにラウンドが進む。3~4Rにクライマックスが訪れ、最終ラウンドの5Rになったら、勝っているほうは試合を流すというパターンはギャンブラーのために作られたといっていい。
いみじくも志朗は言う。
「ギャンブラー目線でいうと、前日計量にしたら賭けが成り立たなくなるんじゃないかという意見が多い。(計量した時と比べると、リカバリーして)体が大きくなってしまいますからね」
濃厚接触となる首相撲は禁止も検討されているという報道もあるが、現地のジムでは練習中の首相撲の自粛ムードが漂っているという。
「現地のジムの友人に聞きましたが、首相撲の代わりにマスやスパーの練習をしていると言っていました。その友人は『首相撲の練習はやらなくても体が覚えているから問題ない』とも言っていましたね」
タイは何事も両極端な傾向があり、ナーバスに対応している部分もあれば、疑問符をつけざるをえない部分もある。たとえばムエタイや国際式ボクシングの大手、ペッティンディージムでは、最近マスク着用なしのスパーリング大会を開催していたという。こうなると首相撲の中止や自粛といった論議はナンセンスになるが、これもまたタイなのだ。