誰かが不幸になる「人事」はもうやめよう (2/7ページ)
そもそもSPIは、科学的根拠のない性別や学歴による採用選考を否定し、個人差を重視した採用選考を実現するために開発された素晴らしいアセスメントなのに、現場では一般的な指標による過度なネガティブチェックにしか使われていないという現実に葛藤を感じていたんです。
それから2007年に、営業部門の時間生産性向上に特化した営業コンサルティング会社を立ち上げたのですが、人財育成にしても営業研修にしても、やはり同様に、科学的な根拠に基づいて実施していかないと、本当の価値を提供できないと悩んでいたのです。
そんな時に、パソナ時代の上司が、「未来検査研究所」を設立して次世代の特性アセスメントを研究・開発している社長がいると言って、須古さんを紹介してくれたんです。お会いしてみたら、私がリクルート時代に感じていた葛藤を解決しようとしている方だった。これは凄いということで、須古さんが開発されていた「マルコポーロ」というアセスメントツールのアドバイザーの一員として関わらせていただくことにし、私の営業研修にも積極的に組み込んでいくことにしたんです。
須古:私は私で、人事の分野では学者が提唱する理論が安易に崇拝され、自社にとっても有効であるのか、自社にとってどのような効果と限界があるのかを検証するといった「科学的視点」を持とうとされない人事の方が多いことに懸念を抱いていました。
もちろん、理論は大事ですし、押さえないといけないのですが、学術理論を安易に受け入れるだけの姿勢では、どうしても現場での実践との間に狭間が生まれてしまうんです。「何故かうまくいかない???」と。
それから数年後、学術一辺倒でなくて、私が人事の現場で得てきた「狭間の実践知」をもっと世に出して役立てるべきだと田路さんが言ってくださって、それが今回一緒に本を書いたきっかけです。
――理論と現場の間に狭間があるというのはどんな分野でも言われますが、人事でもやはりそうなんですね。
須古:これは理論の受け手側に問題があると思います。