誰かが不幸になる「人事」はもうやめよう (5/7ページ)

新刊JP

――企業内で、人事を経験と勘に頼らず科学的に行う取り組みが推進されにくい背景には、人事という仕事をプロフェッショナルが担うべき仕事だと認識できていない経営者の存在があるとされています。なぜ経営者たちはこういう思考になってしまうのでしょうか。

須古:一つは、今お話ししたように、高精度のアセスメントが開発され多くの実績が出ているということをご存じないのだと思います。従来型の特性アセスメントでは確かに高スコア者が入社後活躍しないというジレンマをお持ちの企業さんが多いんです。この原因も本書には書かせていただきました。

検査の精度が星占いレベルであれば使えませんので、当然、特に創業社長さんに多いのですが、「人を見るのはワシの目や」って。私はそういう社長さんが大好きですし、私もそうだったんですけどね(笑)。

でも、面白いんですけど、その社長が望む通りの人財要件モデルを設計して、その方を科学的に見極めて採用します。しかしその後、「ナマイキだ」って言ってその方を解雇しているのがその社長さんであるケースはメチャクチャ多いんです。自分ならこう行動するという観点を、採用する人財要件にしたい気持ちは解るのですが、若手活躍人財の要件、幹部として活躍できる人財要件、次世代経営陣として活躍できる人財要件を科学的に検証して設計すべきです。昭和の突破型創業社長が、自分と似たような人を採用したら、ハレーションが起こる可能性が高いということです。

あと、今はダイバーシティの時代ですし変化が速い。つまり、右肩上がりの経済成長のなか、一定の正解を追い求めて、画一的に、一部の頭脳明晰な人に従って大多数の兵隊が指示通りに動けばよい時代は、完全に終わったんです。答えのないものを、画一的な基準なしで、多様な人たちが手に手を取り合って、ハイスピードに、問題の発見と解決をしていかなければ市場競争に勝てない時代なんです。

自分と異なる勝ちパターンを有する人財を、「自分とは違う人」と線引きするのではなく、自分にはできないことを簡単にやってのける人がいるということを、経営者は知らなければなりません。自分と違う人を活かせば自分が凄く楽ができるんですよ。

「誰かが不幸になる「人事」はもうやめよう」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る